すんごくとんがる鉛筆削り製作話
これは高知工科大 Advent Calendar 2017の15日目の記事です。
自己紹介
エジリです。
みんながあまりにも高品質の記事を書くので、ハードル下げたろっ!と思い割り込みました。
さて、僕はTwitterではアニメの話ばかりしています。
あとたまに絵を描きます。
こんなの。あとはまあアニメも描きます。
一応アナログの奴をTwitterにあげたリンクを
走りと爆発
背伸び
でですね。拙い技術で言えたことじゃないんですけど、こういうの描いてると
すんごくとんがった鉛筆が欲しくなるんですよ。
で、今回はそんなとんがった鉛筆を作れる鉛筆削りの話。
みんなご存じ「とんがり係数」
「とんがり係数」みんなもちろん知ってますよね?
鉛筆の切削加工時にテーパーをつけますが、その際、主に用いられる加工機である鉛筆削り機は
そのメーカーや機種によって被切削物の仕上がりが大きく異なります。
よって、どの程度のとんがり具合になる機種なのかの目安とするために
2008年に信頼文具舗が定義したのが「とんがり係数」です。
僕は履修してないからわからないけど、
基本中の基本だから機械加工学なんかでは教えてくれるんじゃないかな?たぶんね。
で、式はこんな感じ
とんがり係数=芯先の長さ÷(鉛筆軸の太さ×3)
信頼文具舗ガイダンス 第2回とんがり係数について
まあ、詳細はリンクをどうぞ。
で、だ。今回話したいのはとんがり係数なるものの存在なんかではなくてその先について。
とんがる鉛筆削りが無い
ぜんぜん主題じゃないから詳細は省きますけど、実はとんがる鉛筆削りというのが
どんどん無くなってきているらしいです。アニメーターなんかがとんがる鉛筆削りを
紹介してたりするけど、4000円とかして、今使ってる2000円くらいのと
どれくらい違うのかわからないし(とんがり係数でわかるんじゃないの?って思ったあなた!、そもそも高くて買えない。 だから結論は一つだった。
そんなの普及してないですから)
「作ろう!」無いなら作ればいいじゃない。
構想
まずは手元にあった鉛筆削りの観察から始めてみる。電動はすぐに作れるようなものじゃないので、
とりあえず手持ちタイプのやつを。
家にあった3つくらいしか調べてないけど、穴はどれも8mmくらいで刃の長さは23~24mm。
測ったのは刃の長さであって、削れた鉛筆の中心に沿って測った訳ではないから、
実際に削られたものはもっと短い。
つまり、どいつもこいつもとんがり係数はギリ1いかないくらい。
めちゃ大ざっぱだけどいいんだ。実は例のとんがりサイトでも、紹介されているメーカー品の中では
とんがり係数は1が最大だった。
これを見て僕は目標を立てました。とんがり係数2の鉛筆削りを作る!!!!
製作開始
自作と言ってもできることは限られているし、とりあえず一番どうしようもないことは明確だった。
刃だ。
刃はどうしたって僕の力では作りようがない。そして単純な僕は思いついた。
すぐに材料の買い出しに行って、
(近所の画材屋 文陽堂)
鉛筆削り二つ入手。
そして、実は触ったことのなかったAutodeskのFusion360で設計を開始。
こんな感じ―とテキトーにイメージを思い浮かべ、モデリング。
刃を2枚と決めた時点で、とんがり係数2は無理じゃないか。とこの時気が付いたが、
まあそんなことはどうでもいい。
でけたー(実際には操作が不慣れなことによっていろいろ祖試行錯誤があったけど省略)。
結局先端部の長さは42mmになった(とんがり係数1.75)。
3Dプリンターで造形。
完成。
いやあ便利。実に素晴らしい先端機械。
いざ!
おや?
とどかない。
僕は大きな勘違いをしていた。
鉛筆削りをこうしたけど、
鉛筆はこうだから、
削れるよりも先に反対側がぶつかってしまう。
ボール盤で穴を広げて再チャレンジしたけど同じことだった。
むしろなんか鉛筆に傷がついた。
修正修正。
刃がもっと早い段階で当たるように調整した。
できた。
先端部の長さは39mmにまで短くなってしまった(とんがり係数1.625)。
造形。
刃をはめてっと
ん?あれ?
ここの設計はいじってないのに。どうして?
もしかして・・・
焦ったあ~。この時、僕は初めてあの刃の大きさに結構な個体差があることに気が付いた。
つまりは2枚の刃の位置をそれぞれ交換してはめ直したのだ。
いざ!
おお?!
少し力かかる時もあるけど、いけそう・・・うりゃ!!
バキッ!!
割れた。
正確に言えば、芯の露出したあたりから木の繊維に沿って剥離した。
結論
鉛筆は縦に繊維が入っているので、あまり角度をつけて横から削ろうとすると剥離してしまう。
実験には普通の鉛筆削りで既に削ってあるものを
使ったが(そのほうが負荷が少ないと考えたため)、
一応、新品の鉛筆や、六角形でない丸い色鉛筆などでも実験をしたみたところ、
最初と同じように、ある程度削ると力を入れなければ回せなくなった。
よって、少なくともとんがり係数をこれ以下の値にしなければ、
実用性のある鉛筆削りにはならないと考えられる。
これは推測でしかないが、この後も徐々にとんがり係数を下げていけば、
実験的に適正な(少なくとも今使っているハイユニの4Bにあった)
とんがり係数を発見することができるだろうと思う。
しかし、それはおそらく1に限りなく近い値なのではないだろうか。
だから世の中にはとんがり係数1を超える鉛筆削りがないのかもしれない。
あとがき
はい。以上です。
最後の結論とかテキトーです。手回しとか電動は削り方が違うので鋭くしても
剥離しないと思います。それっぽくしたかったのでテキトー書きました。
手もちタイプじゃ難しいかもしれないってことですね。
ぶっちゃけナイフが一番なんですけど、ちゃんととんがらせるの難しいんですよね。
あと語尾が「ですます」調だったり「である」調だったりしますけど、
つらつら書いてたらこうなったので直しません。ご勘弁を。
ブログ書くの楽しかったのでこれからも続けるかもしれません。
でも多分アニメの話ばっかりです。ではまたいつか。
参考
参考・画像引用など 信頼文具舗ガイダンス 第2回とんがり係数について
スペシャルサンクス 高知工科大学ものづくり工房
後輩 A君とI君